突然ですが、「増永」という性は、業界人なら必ず知っている性になります。
福井県が
【メガネの聖地】
と呼ばれるようになったのも、「増永」が大きくかかわっています。
増永五左ヱ門が1905年(明治38年)に創業した
<増永眼鏡>
業界で初めて、【帳場制】と呼ばれる制度をつくり
たがいの技術を磨きあい、品質の良いめがねを提供しつづけてきました。
(帳場制とは簡単に言えば、メガネの分業です)
それが今日まで続く、メガネの産業の始まりともいえます。
その増永眼鏡がリリースするシリーズのひとつ
『G.M.S』
今回はこのG.M.Sを【徹底解剖】していきたいと思います。
G.M.S以外にも様々なシリーズがありますが、それはまた後日ご紹介しますね。
G.M.Sというブランド名は
【Gozaemon Masunaga Spectacles】
ござえもん ますなが スペクタクルズ
という文字から取られています。
【五左ヱ門スピリッツ】
をしっかり受け継ぐシリーズになっています。
G.M.Sのデザインは、増永眼鏡の創業当初の
明治、大正に作っていたメガネをベースに生み出されています。
今では国内にとどまらず、海外でも人気のシリーズになっています。
ではG.M.Sのメガネを紹介していきたいと思います。
G.M.S 32
G.M.Sの中でもトップクラスに人気モデルなです。
販売されてからそれなりに年月が経っていますが、今だ人気の衰えないフレームです。
1933年(昭和8年)に昭和天皇に献上したメガネフレームにも施されていた
星のデザイン性と、味わい深さを再現しデザインされた
【ワンスターシリーズ】
の一本になります。
この【星の飾りカシメ】が非常に特徴的です。
綺麗に星形になっています。
この星を綺麗に埋め込むのも、非常に難しい技術です。
フロントだけでなく、テンプルにも星。
主張しすぎない、さりげなさがいいです。
リムの下側には、一見模様に見えますが、
【GOZAEMON MASUNAGA SPECTACLES】
の文字が隠されています。
隠れミッキーならぬ、隠れ五左ヱ門になっています。
気を付けなければ見えないところまで作りこむ。
それが増永イズムなのでしょう。
G.M.S 800
小ぶりなボストンシェイプのフレームです。
クラシックなテイストのフレームは、女性の間でも人気ですが、
サイズが大きすぎて、あきらめていた方などにもおすすめです。
ブリッジは【カシメ】で留めてあります。
クラシカルな風合いが刻まれているのも特徴です。
裏側はこういった感じです。
そしてここがこのG.M.S 800の真骨頂ともいえる部分。
テンプルを繋ぐフロント部分を
【少し削り込んで、テンプルをカシメています】
細かい部分の造り込みがG.M.Sらしいです。
少し画像を加工してみました。
テンプルを付けている部分だけ【段】になっているのが分かりますでしょうか?
ちょっとした工程なのですが、この工程で
フロントとテンプルの付き方がより頑丈になります。
こういった妥協をしない姿勢、凄いです。
G.M.S 104
ワンブリッジデザインの一本。【一山タイプ】とも呼ばれます。
ブリッジが特徴的で、
セルと金属を組み合わせた変わったブリッジです。
鼻部分は、セルを継ぎ合わせ【一山タイプ】にしています
これが、掛けた際に程よい個性を残してくれます。
リム周りには細かく彫金が施され、高級感ある仕上がりとなっています。
G.M.Sの中でも細目でシャープな一本です。
G.M.S 009
フロントはメタル+アセテート、柔らかさを感じる四角いシェイプになっています。
このフレームの最大の特徴であるテンプル、モチーフが
【竹】
になっています。テンプルは
【竹の節】
をイメージしています。
フロントとテンプルの流れも綺麗です。
四角のフロントだけど、丸みもあり柔らかいイメージで使えます。
ブランド名にもある通り、五左ヱ門をリスペクトしています。
【増永イズム】をしっかり感じられるブランド。
次回も増永眼鏡をピックアップしたいと思います。
次回は増永眼鏡の中でも、高級感あふれるシリーズを特集します。
では今回はこのあたりで。