【工場見学】
へ行ってきました!
レンズメーカーの【HOYA】さんのご厚意で、
レンズ工場見学が実現しました。
行先は、長野県にある
【HOYA松島工場】
へ行ってきました。
名古屋からはバスで3時間・・・(ちょっと遠かったです)
![20180509_090032](http://meganeaz.com/topics/azblog/files/2018/05/20180509_090032-576x1024.jpg)
名古屋駅から、同じように招待されたメガネ屋さんと共に工場へ向かいます。
予定通り3時間ジャストで、松島工場に到着!
松島工場は
<HOYA唯一の国内生産拠点>
ということで、大きな工場を想像していました。
ですが実際の工場は、2階建てと意外と小さかったです。
工場外観
この中で、皆様にお渡しするレンズが作られています。
早速工場見学!
の前に用意されたお弁当を頂きます。
![20180509_114501](http://meganeaz.com/topics/azblog/files/2018/05/20180509_114501-1024x576.jpg)
『おもてなし』
を受けています。
さてお昼もすませ、いよいよここから見学スタートです!
まずは会議室で、HOYAのレンズ生産体制の説明や松島工場の説明を受けます
![20180509_122815](http://meganeaz.com/topics/azblog/files/2018/05/20180509_122815-576x1024.jpg)
一通りHOYAの生産体制や世界へのマーケティングの話を受けました。
説明を受けた後、
色差識別カラーテスト
を受けることになりました。
ゲーム感覚で、色をグラデーションに並べていくテスト
![20180509_124746](http://meganeaz.com/topics/azblog/files/2018/05/20180509_124746-1024x576.jpg)
上の写真の様な、
少しずつ色が違うコマをグラデーションになるよう並べ替えていく
というものです。
制限時間の2分以内にグラデーションにするのですが、
これがやってみると意外と難しいのです。
並べ終わって、答え合わせ。
![20180509_124651](http://meganeaz.com/topics/azblog/files/2018/05/20180509_124651-1024x576.jpg)
ひっくり返すとコマに番号が振ってあります。その番号が順番になっていれば正解。
ですが、これが中々ピッタリ合わないのです。
2回チャレンジしたのですが、少しづつ間違ったりしています。
(上の写真は並べる前の写真なので番号はバラバラです)
2分という時間は短く、中々焦ります。
工場の従業員は様々な適性検査を受け、
短い時間でこのグラデーションを合わせることが出来る方は
色調の才能アリという事で、工場でのレンズ染色部門に配属されるそうです。
色差識別カラーテストを終え、いよいよレンズの製作工程の見学です!
![20180509_122840](http://meganeaz.com/topics/azblog/files/2018/05/20180509_1228401-1024x576.jpg)
ですが工場内は撮影禁止
ですので、記憶とイメージ画像と共に
レンズが仕上がっていく工程をご紹介していきます。
材料出し
「材料出し」はオンラインで発注されたオーダーに基づいて
レンズの元となる素材を取り出す工程
材料出しの部屋には、『10万枚以上のレンズの素材』が置いてあります。
素材は丸いレンズの形になっています。
![main_4](http://meganeaz.com/topics/azblog/files/2018/05/main_4.jpg)
ほとんどこの時点で丸レンズの状態になっています。
素材出しの部屋では
5分毎に全国からのオーダーがプリンタで紙にプリントされ
オーダーごとの指示書に指定された素材を
「人力」でピックするのが材料出し
機械ではなく、人力で全てピックアップしていきます。
amazon なども人力でピックアップしているらしいですが、素材出しの部屋は
まさにそんなイメージです。
![article-0-0EEE44E500000578-804 (1)](http://meganeaz.com/topics/azblog/files/2018/05/article-0-0EEE44E500000578-804-1.jpg)
きちっと並べられた棚に、収められた大量に並べられた素材。
素材出しの担当は、どこに何があるというのは完全に頭に入っているらしいです。
そこからピックアップされた素材が2階の素材出し部屋から
1階の加工工場へエレベーターで送られていきます。
研磨工程
ピックアップされた素材を切削、研磨して、処方に応じた度数にする工程
工場へ移動した素材。
保管庫の様なイメージの素材出しの部屋とは違い、ここからは完全に工場。
様々な大きさの機械が並び作業をしています。
素材を切削していくのですが、
その際、荒削り、中削り、仕上げを一つの機械の中で行います。
切削後パッドで磨きをかければこの工程は終了です。
染色工程
レンズに色を付ける工程
レンズにカラーを入れる際にはこの工程でレンズにカラーを入れて行きます。
レンズを染色するには、染料で一定時間煮ることで染め上げます。
釜の中に染料を入れて、レンズを煮てカラーを入れて行きます。
工場の気温や湿度などの環境、素材の状況によって色の入り方が異なってくるため
機械による自動化が難しいため、
人の感覚が一番要求される工程です。
色差識別カラーテストで適正アリと判断された人が配属されるそうです。
レンズが高屈折(薄型レンズ)になるにつれて
レンズに色を浸透させる時間が変わります。
早いものでは『数分』で終わる染色ですが、
高屈折レンズは『何時間単位』で時間がかかってしまいます
![20180425a](http://meganeaz.com/topics/azblog/files/2018/05/20180425a.jpg)
その為、高屈折レンズは、
【圧力鍋のような装置の中で圧力をかけること】
で色を染めています。
最後に退色を防ぐために熱を加えて焼き付けます。
カラー染色は、機械をほとんど使わず人の手で染められています。
カラーの確認や、染め方の工程を見ていくと
この染色工程は、
工場見学の中でも、
最もアナログな場所だったかもしれません。
ハードコート
柔らかいプラスティックレンズに、傷から守るハードコートをする工程
ハードコートを行う前に【徹底的】にレンズを洗浄していきます。
巨大な洗浄機に入れアルカリ液、純水による洗浄が何度も行われます。
何層にも分かれた巨大洗浄機の中を通って、徹底的に洗浄されたレンズを
特殊シリコン液に浸して加熱硬化させてハードコート膜を形成します。
5メートルほどある長い釜で、時間を掛けてコートを焼き付けていきます。
反射防止コート蒸着
反射防止コート等をレンズに蒸着させる過程
ハードコートを施したレンズを
巨大な金属製の傘のようなもの
![vac_2](http://meganeaz.com/topics/azblog/files/2018/05/vac_2.jpg)
に並べて大きな【真空の釜】の中に入れます。
宇宙空間に匹敵する真空状態にしているそうです。(HOYA担当者談)
その釜の中で、蒸着原料を電子ビームで飛ばし蒸着させることを数回繰り返します。
![sc20-2](http://meganeaz.com/topics/azblog/files/2018/05/sc20-2.jpg)
最後に撥水コートを熱で焼き付けて完成です。
反射防止のコートや、キズの付きにくいコート
ブルーカットコートなどもこのタイミングで施していきます。
そういった、付加価値を付与したコートは、原料の種類や回数を変えているみたいです
検査工程
コーティングが施されれば、ほぼレンズは完成です。
あとは最終工程であり、重要な工程、検査です。
機械の検査、目視による検査を行います。
ほんの少しもレンズにキズが入っていていてはいけません。
厳しいチェックを潜り抜け、ようやくレンズは完成です。
2時間強で工場見学は終了。
細かい部分を省いて2時間強の見学でしたが、
実際にレンズが出来る所を肌で感じることが出来てよかったです。
機械でオートメーション化している部分も多々ありましたが、
思っている以上に人の数が多く、アナログな部分も多かったです。
やはり機械だけでは補えない部分を人の目でチェックを入れ
より良い状態でレンズを作ることが出来るようにしている。そんなイメージでした。
写真では撮ることが出来ませんでしたが、しっかり目に焼き付けてきましたので
「レンズ工場の話を聞きたい!」
という方は是非スタッフまでお尋ねくださいませ!