工場見学へ行こう!

【工場見学】

へ行ってきました!
レンズメーカーの【HOYA】さんのご厚意で、
レンズ工場見学が実現しました。

行先は、長野県にある

【HOYA松島工場】

へ行ってきました。
名古屋からはバスで3時間・・・(ちょっと遠かったです)

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名古屋駅から、同じように招待されたメガネ屋さんと共に工場へ向かいます。

予定通り3時間ジャストで、松島工場に到着!
松島工場は

<HOYA唯一の国内生産拠点>

ということで、大きな工場を想像していました。
ですが実際の工場は、2階建てと意外と小さかったです。

工場外観

20180509_160613この中で、皆様にお渡しするレンズが作られています。

早速工場見学!

の前に用意されたお弁当を頂きます。

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『おもてなし』
を受けています。

さてお昼もすませ、いよいよここから見学スタートです!
まずは会議室で、HOYAのレンズ生産体制の説明や松島工場の説明を受けます

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一通りHOYAの生産体制や世界へのマーケティングの話を受けました。
説明を受けた後、

色差識別カラーテスト

を受けることになりました。
ゲーム感覚で、色をグラデーションに並べていくテスト

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上の写真の様な、

少しずつ色が違うコマをグラデーションになるよう並べ替えていく

というものです。
制限時間の2分以内にグラデーションにするのですが、
これがやってみると意外と難しいのです。

並べ終わって、答え合わせ。

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ひっくり返すとコマに番号が振ってあります。その番号が順番になっていれば正解。
ですが、これが中々ピッタリ合わないのです。
2回チャレンジしたのですが、少しづつ間違ったりしています。
(上の写真は並べる前の写真なので番号はバラバラです)
2分という時間は短く、中々焦ります。

工場の従業員は様々な適性検査を受け、
短い時間でこのグラデーションを合わせることが出来る方は
色調の才能アリという事で、工場でのレンズ染色部門に配属されるそうです。

色差識別カラーテストを終え、いよいよレンズの製作工程の見学です!

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ですが工場内は撮影禁止
ですので、記憶とイメージ画像と共に
レンズが仕上がっていく工程をご紹介していきます。


材料出し
「材料出し」はオンラインで発注されたオーダーに基づいて
レンズの元となる素材を取り出す工程

材料出しの部屋には、10万枚以上のレンズの素材』が置いてあります。
素材は丸いレンズの形になっています。

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ほとんどこの時点で丸レンズの状態になっています。

素材出しの部屋では
5分毎に全国からのオーダーがプリンタで紙にプリントされ
オーダーごとの指示書に指定された素材を

「人力」でピックするのが材料出し

機械ではなく、人力で全てピックアップしていきます。
amazon なども人力でピックアップしているらしいですが、素材出しの部屋は
まさにそんなイメージです。

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きちっと並べられた棚に、収められた大量に並べられた素材。
素材出しの担当は、どこに何があるというのは完全に頭に入っているらしいです。
そこからピックアップされた素材が2階の素材出し部屋から
1階の加工工場へエレベーターで送られていきます。

研磨工程
ピックアップされた素材を切削、研磨して、処方に応じた度数にする工程

工場へ移動した素材。
保管庫の様なイメージの素材出しの部屋とは違い、ここからは完全に工場。
様々な大きさの機械が並び作業をしています。

素材を切削していくのですが、
その際、荒削り、中削り、仕上げを一つの機械の中で行います。
切削後パッドで磨きをかければこの工程は終了です。

染色工程
レンズに色を付ける工程


レンズにカラーを入れる際にはこの工程でレンズにカラーを入れて行きます。

レンズを染色するには、染料で一定時間煮ることで染め上げます。
釜の中に染料を入れて、レンズを煮てカラーを入れて行きます。

工場の気温や湿度などの環境、素材の状況によって色の入り方が異なってくるため

機械による自動化が難しいため、
人の感覚が一番要求される工程です。

色差識別カラーテストで適正アリと判断された人が配属されるそうです。

レンズが高屈折(薄型レンズ)になるにつれて
レンズに色を浸透させる時間が変わります。
早いものでは『数分』で終わる染色ですが、
高屈折レンズは『何時間単位』で時間がかかってしまいます

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その為、高屈折レンズは、

【圧力鍋のような装置の中で圧力をかけること】

で色を染めています。
最後に退色を防ぐために熱を加えて焼き付けます。
カラー染色は、機械をほとんど使わず人の手で染められています。
カラーの確認や、染め方の工程を見ていくと
この染色工程は、

工場見学の中でも、
最もアナログな場所だったかもしれません。

ハードコート 
柔らかいプラスティックレンズに、傷から守るハードコートをする工程

ハードコートを行う前に【徹底的】にレンズを洗浄していきます。
巨大な洗浄機に入れアルカリ液、純水による洗浄が何度も行われます。
何層にも分かれた巨大洗浄機の中を通って、徹底的に洗浄されたレンズを
特殊シリコン液に浸して加熱硬化させてハードコート膜を形成します。

5メートルほどある長い釜で、時間を掛けてコートを焼き付けていきます。


反射防止コート蒸着
反射防止コート等をレンズに蒸着させる過程

ハードコートを施したレンズを
巨大な金属製の傘のようなもの

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に並べて大きな【真空の釜】の中に入れます。
宇宙空間に匹敵する真空状態にしているそうです。(HOYA担当者談)

その釜の中で、蒸着原料を電子ビームで飛ばし蒸着させることを数回繰り返します。

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最後に撥水コートを熱で焼き付けて完成です。
反射防止のコートや、キズの付きにくいコート
ブルーカットコートなどもこのタイミングで施していきます。

そういった、付
加価値を付与したコートは、原料の種類や回数を変えているみたいです

検査工程
コーティングが施されれば、ほぼレンズは完成です。
あとは最終工程であり、重要な工程、検査です。
機械の検査、目視による検査を行います。
ほんの少しもレンズにキズが入っていていてはいけません。
厳しいチェックを潜り抜け、ようやくレンズは完成です。

2時間強で工場見学は終了。
細かい部分を省いて2時間強の見学でしたが、
実際にレンズが出来る所を肌で感じることが出来てよかったです。

機械でオートメーション化している部分も多々ありましたが、
思っている以上に人の数が多く、アナログな部分も多かったです。
やはり機械だけでは補えない部分を人の目でチェックを入れ
より良い状態でレンズを作ることが出来るようにしている。そんなイメージでした。

写真では撮ることが出来ませんでしたが、しっかり目に焼き付けてきましたので

「レンズ工場の話を聞きたい!」

という方は是非スタッフまでお尋ねくださいませ!