メガネ徹底解剖のお時間がやって参りました!
今回のお相手は
こんなメガネあんまり見たことない!?ブランド
【LABYLINTH by 影郎デザインワークス】
を【徹底解剖】していきます。
今回も【解剖】の前に
≪LABYLINTH by 影郎デザインワークス≫
について少し触れておきます。
≪LABYLINTH by 影郎デザインワークス≫というブランド名ですが
デザイナーである≪影郎≫氏の愛称から影郎と紹介する事が多いです。
影郎のメガネは一見奇抜で、不思議な見た目のメガネが多いです。
メガネという視力矯正の道具でありながら、芸術作品の様でもあります。
「筆を持つのも芸術、楽器を持つのも芸術、手段は違っても目指すものが変わらないのが芸術」
という影郎氏の想いがメガネに芸術性を持たせています。
ちなみに影郎氏はメガネを商品と呼ばずに【作品】と呼んでいます。
ブランドイメージを形にした什器も手作りで作っています。
こういった什器もデザイナーである影郎氏が作っています。
ブランドデザインをメガネにも、立体物にもしてしまうスーパーマンです。
さらに驚きなのはブランドに携わる、全てを一人でこなしているという事。
デザインしたメガネを鯖江に持込み、どこの工場で作るのか、どれだけ作るのか
カラーリングはどういった風にするのか、どれだけの数を作るのか。
それらすべてを一人でこなすバイタリティ。
数あるメガネブランドでも、一人で全てをやっている方は少ないです。
さて!【解剖】です
【ワイヤーカット】
影郎のメタルフレームのほとんどが
【ワイヤーカット】と呼ばれる方法で作られています。
ワイヤーカットとは金属線(ワイヤー)に放電しながらチタンを切断して行く方法です
薄いチタンであればレーザーでデザイン、チタンを抜く事が出来ますが、
影郎で使用している厚めのチタンはレーザーで抜くことが出来ないです。
そこで使用されるのがワイヤーカット方式!
ワイヤーで切断していく方法なので、デザインフレームを作るのは困難なのですが
影郎のメガネは
一筆書きを考慮した上でのデザインをしています
そうする事で見事に“らしさ”を出しています。
よくよく見ると、デザインの【切れ目】がない一筆です。
こんな複雑なデザインもワイヤーでカット!
個性が強いデザインも
丸=ラウンド も影郎とワイヤーカットにかかればこんなスチームパンクな感じに!
一筆の要領であれば、様々なデザインが可能なワイヤーカット。
業界でもあまり使われない、難しい製法らしいです。
難しい製法にも関わらず影郎のデザインを綺麗に造り上げる職人さんは凄いです
【テンプル】
影郎のメガネのテンプルには何種類かあります。
メイン?で使われている
このテンプル
ブランド発足当初から、今現在まで使用されている影郎を象徴するテンプルです。
遊び心のあるデザインなのですが、お分かり頂けますか?
少しわかり易くしましょう
分かりますか?
何だか女性の様なフォルムではないですか?
言われてみればそうかな・・・
位の主張しすぎない遊び心がいいですね。
他のテンプルのご紹介です
何となく先程の女性ラインのテンプルに似ていますね。
こちらのテンプルは、テンプルだけでも主張してくれます。
というのも、このテンプルは
チタンを層の様に重ねているのです。
層を重ねていくことで、テンプルデザインに奥行きを与えています。
少し見えづらいですが、3層構造になっています。
強度的にもアップしているのです!
【PORNO】
PORNO(ポルノ)というフレームをピックアップして紹介させていただきます。
なんてネーミングだ!と驚かれるでしょう。
影郎のメガネはこういったネーミングのフレームが多いんです。
一度聞いたら忘れられないような、独特な響き。
メガネを作品と捉えているのでこういった名前を付けているのでは?
さて少し脱線してしまいましたがPORNOの紹介です。
フレームジャンルでは<オーバル型>というフレーム型になるのでしょう。
オーバル型というフレームは優しい印象を与える効果があるのですが
PORNOは、柔らかい印象を与えつつもセクシーな印象を出してくれるフレームです。
少し人と違った、でもデザイン的になりすぎるのはちょっとな・・・
と言ったメガネを探される方にはピッタリなフレームです。
PORNOはフロントデザインが左右非対称になっているのが特徴です。
左右他非対称のメガネってどうなの?
な方も掛けてしまえば納得して頂けると思います。不思議と馴染んでしまうんです。
この現象をAZでは勝手に
【影郎マジック】
と呼んでいます。
造りにも並々ならぬこだわりがあるのです。
白の部分をどうデザインしているのか気になりませんか?
塗装ではないのでその部分だけ塗っている訳ではないですし。
この作品のキモであるデザインの謎。それは!
白の生地の上から、薄い黒の生地を張り合わせ
白の生地が見えるまで削る。
という中々面倒な工程を経て作られています。
白の生地が出てくるまでドリルで削っていきます。
その時に影郎氏は工場に、こんな指示をしたそうです。
「ドリル跡を残してくれ」
切削した時に出来るドリル跡を目立たなく、キレイにするのが一般的。
しかし、あえてドリル跡を残すように指示したのは
キレイに仕上がりすぎると、無機質な機械的な印象が出てしまう。
と言った事で、あえてドリル跡を残しています。
そういった細かいデザインのこだわりが影郎ファンを作っていくのですね。
いかがでしたでしょうか?【徹底解剖】影郎編
影郎に興味を持っていただけましたか?
デザイン的には少ししか紹介できませんでしたが、他にも様々なデザインがあります!
顔に乗せて初めて「似合うかも!」と思うデザインも多いです。
それでは今回はこのあたりで!
おまけ
【マコト眼鏡】
なぜ影郎の徹底解剖なのに、マコト眼鏡の名前が?
影郎のフレームにセルロイドで造られたメガネがあるのですが
そのメガネがマコト眼鏡で造られたメガネなのです。
徹底解剖、【歩】編でも紹介した造りが影郎のデザインで楽しめます。
マコト眼鏡作
マコト眼鏡のお家芸、合口にフタも健在
ファンの多い、一体成型型パッド
歩ファンの方も、影郎ファンの方にもオススメしたいです。