メガネ徹底解剖のお時間がやって参りました!
今回のお相手は
銀座の老舗セレクトショップが立ち上げたオリジナルブランド
ショップスタッフが全員デザイナー?!な
KAMURO“カムロ”
を徹底解剖していきます!
今回も【解剖】の前に“カムロ”について少し触れておきます。
≪KAMURO≫
≪KAMURO≫はショップオーナーである禿 大悟(カムロ タイゴ)が
「美・観・楽・遊」
のコンセプトを軸に1996年に東京・銀座にオープンした眼鏡店から始まりました。
「個性のある眼鏡達を”スタンダード”にして行く方法とは・・」
という思いを具現化するため
“楽しい眼鏡”をイメージし、日本人(アジア人)の肌の色に合う色やトーン、そして骨格に合うサイジングの眼鏡を自分逹の手で生み出す事を始めたのです。
デザインはスタッフが全員で行い、デザインのテイストは自由。
ショップスタッフとして眼鏡ユーザーと日々接しているスタッフが描くデザインは
行きすぎることのない、しかし確実に他人とは違う個性を出せます。
眼鏡への意識を変えるユーザーをさらに増やしていきました。
しかし店舗を構える東京を始めとする大都市圏と地方都市ではまだ温度差があり、またそれはエンドユーザーだけではなく、眼鏡店のオーナーやスタッフであっても眼鏡に対する考え方には大きな相違がありました。
KAMUROは店舗で考えぬいて導いた答えを、
自分たちの周りだけではなく日本中にアピールしたい!
となり2005年秋、東京で開かれた眼鏡の国際展示会(IOFT)、その直後にパリで開かれた国際展示会(SILMO)に於いて最初のアイウェアコレクションを発表し、アイウェアブランド「KAMURO」としてスタートしました。
ショップオリジナルが今や日本のみならず世界にも進出しています
そんな、KAMUROの【解剖】です!
【七宝】
七宝と聞くとガラスの七宝が有名ですね。
壺やお皿、アクセサリーに使われる七宝。
メガネにも古くから七宝は使われています。塗装であったり飾りであったり
KAMUROのメガネも七宝を使ったメガネを造っています。
KAMUROが主に使う七宝は樹脂系の七宝で、業界では
疑似七宝
と呼ばれています。疑似七宝は、熱を加えることによって硬化する樹脂です。
透明エポキシに塗料を混ぜ合わせて作られるので、色のバリエーションは無限大!
KAMUROはこの疑似七宝の使い方が
“神ってる”
七宝といえばKAMUROと言ってもいい位です。
テンプルやフロントに七宝加工を施すのですが、すべて手作業なのです。
その製法は、いくつかの原料を調合して、色の濃さや液の硬さを調節し、
真空状態を作る装置で液体の中の空気を抜きます。
空気を抜いたものを注射器に取り、またそこから念入りに空気を抜きます。
七宝に気泡が入らないように。
そうして七宝を注入です!
そうして出来上がるのが下の様な七宝加工です
どうです?
細かい穴に手作業で、特製注射器を使い七宝を埋めていきます。
聞くだけでも気が遠くなりそうです・・・
色や種類によって乾燥させる温度や時間が変わってくるので
このフロントの七宝加工だけでも相当な労力です。
七宝職人凄いです!
七宝&ラインストーンの二段構え
単色だけでなく、なんとターコイズ風にしてある七宝なんかもあります。
良くこんなの造れるな・・・と思います。
ターコイズ風七宝の造り方
青の色を流し込んだ後、固まる前に茶色を流し込んで混ぜ混ぜする
するとあら不思議!ターコイズ風!
といった具合に造ったみたいです。
簡単に言っていますが、かなりの苦労や試作を繰り返しているはず。
職人の魂が感じられる、KAMUROを代表する七宝加工だと思っています。
【ラインストーン】
KAMUROの中で、七宝と同じくらい重要な
<ラインストーン>
フロントやテンプルを彩る、小さいけど存在感抜群なパーツ!
沢山散りばめてあげればいい具合に目立ってくれます。
これでもか!という位、小さいサイズのラインストーンを沢山埋め込んであります。
小粒で存在感が出てくれる
山椒みたいですね。小粒なのにピリリと辛いんです!
ラインストーンは七宝と同じで、職人が
手作業で接着して埋め込んでいます
その際接着剤として使用するものが、透明の七宝らしいです、
焼き付けの接着になるので、非常にラインストーンが取れにくいのです!
【バリエーション】
KAMUROのメガネは、様々なバリエーションがリリースされています。
オリジナル時代から現在までの流れを追うと中々面白いです。
少しKAMUROのデザインの流れを見て頂きましょう。
KAMURO 033
KAMUROオリジナル時代のモデルを復刻させた、10周年記念フレーム
面白さと新鮮さをお客様に届けたい!というような印象です
おもちゃのような、可愛い道具のようなPOPなデザインですね。
KAMURO エストレラ
POPなテイストから段々、ラグジュアリー風でお上品でありつつ
可愛いといったフレームになってきます。
KAMUROのフレームはこういったイメージ
と思われる方が多いですね。
AZがKAMUROを取り扱いを始めたのも、このあたりからですね。
KAMURO セルタ
先程説明した【七宝】を使ったモデルが登場し始めます。
七宝を使う事でカジュアルさと上品さがミックスされたモデルも多く登場!
名作と呼ばれるフレームが数多く出てきました。
今でも根強いファンが多いモデルです。
フロントからテンプルまでの流れるキレイな七宝&ラインストーン
KAMURO サルト
そして最近のKAMUROはPOPに戻ってきました。
一見POPで面白いのに、掛けると上品さが出る。
という謎の現象が起きてくる不思議なデザイン。
ニーズの変化をいち早く察知しつつ、流行を追いすぎない
新しいKAMUROです。
ショップスタッフがコンペを行い、デザインをしていくので
様々なデザイン、テイストがあるのに全てKAMUROらしさが出ているのは凄いです!
まだまだ長くなりそうなので、PART,1はこのあたりにしておきます。
PART,2はKAMUROの最高傑作と言っても過言ではないモデルをピックアップしてみたいと思います。
楽しみにお待ちください!