【プラスチックフレーム生地について】part,1

メガネに使用されるプラスチック素材は、大まかに2種類あります。
前回のブログで取り上げた

アセテート

セルロイド

市場に出回っているプラスチック素材のほとんどはこの素材です!

しかし、この二大巨頭だけではなく
現在では、様々なプラスチックのメガネが出てきています。

値段も、特性も様々ある現在のプラスチック素材
AZにあるものを中心に紹介していきたいと思います。

まずは定番のアセテート生地。
ですが、普通のアセテート生地を紹介しても面白くないので
少し変わったアセテート生地を紹介します。

lafont SAVEUR

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ボタニカルな花柄

なのですが、ただの花柄と思うなかれ!ですよ
この花柄には

秘密

があるんです。少し近づいてみましょう。

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その秘密とは!

花柄の部分に注目してください。
花柄の部分、質感がある素材に似ていませんか?
とても身近な素材ですが、メガネとはあまり関係のなさそうな素材です。

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テンプルにもそれは使用されています。
何かお判りでしょうか?答えは

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コットン生地(布)でした。

このアセテート生地、コットン生地を挟み込んでいる特殊な技法で作られています。
布を特殊な技法でアセテートに挟み込む、質感と柄がキレイに出ています。
アセテートはこういった変わった物もできちゃいます。

布が挟み込めるなら何でもいけそうな気がします。
今後に期待しちゃいますね!

お次は

セルロイド

前回のマツケリ編でも少し触れましたが、商業用では初のプラスチック素材です。
何といっても、堅い!ということが特徴のプラスチック素材。
堅く、加工は難しいのですが、堅いが故に型崩れも少ないです。
丁寧に磨きをしてあげることで生まれる

艶 ツヤ

はセルロイドならではです。
しっとり濡れているかの様な独特の艶は、漆のような光沢があります。

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セルロイドならではのツヤ感がたまりません。

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堅い素材なので、細くしても形を保っていられます。
この細さ、型崩れしないのはセルロイドならではです。

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細かい部分なのですが、歩は造りが本当に丁寧です。
フロントとテンプルを繋ぐ

合口

この部分が、隙間なくピッタリ出来ているのは素晴らしいです。
ヤスリ掛けも、磨きもアセテートの何倍もの労力が必要なのですが
手間を惜しまず、丁寧に仕上げると応えてくれるのがセルロイドですよ。

さて、ここからが新勢力の登場です!

トロガミド

トロガミドは、ドイツのエボニック インダストリーズが世界的に供給を行っている
透明ナイロン樹脂です。
AZのフレームでは、JAPONISMで使用されています。

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弾力性がありながら熱に強く、変形の少ない素材で
メガネで使用される事は、まだ少ない素材でもあります。
素材の特性を生かした

アセテートでは中々表現できない

ソリッドな質感がポイントです。

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アセテートではあまり表現の出来ない、『エッジ』があります。
この『エッジ』感がいいです。
アセテート生地だと、艶を出す際に

ガラ入れ

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と呼ばれる工程で、最初の磨きをかけるのですが
その際にフレームのカドが取れてしまいます。
トロガミドはこの工程がないので(おそらく・・・)
エッジの効いたフレームを作ることが出来ます。

このトロガミド素材のフレーム、JAPONISMでは定期的にリリースされていますが
他のブランドからはあまり出ていません・・・
色々なブランドから出てくるともっと面白いのに。と思ってしまいます。

なんだか長くなりそうなので、他のプラスチック素材は次回に回したいと思います。