今回はメガネの構造についてのブログになります
普段何気なく使用しているメガネが
どういった構造、工程で作られているのか?
を少し掘り下げていきたいと思います
今回は
テンプルについてのお話になります
皆様お使いのメガネ
そのプラスチックテンプルのほとんどに
<強度を保つための金属の芯>
が入っています
ほぼ全てのテンプルに<芯>が入っていますが
その中の<芯>ってどの様にして作られているのか?
その方法は大まかに2つ存在します
① シューティング
芯を入れる技法の、現在主流になっている
「シューティング」
と呼ばれる技法
シューティングとは
テンプルに加工する前の
細長いアセテートorセルロイドの棒に
機械で芯を打ち込む方法
芯が見えやすい様に、クリア生地の
<歩-1017>
に登場していただきました
短冊状の形に削りだしたプラスチックを
熱で温めて柔らかくして、金属の芯棒を差し込むという方法で
テンプルの芯を入れています
思いのほかシンプルな方法ですが
素材の質などによって
熱を加える温度を変えなくてはいけないなど
簡単そうに思えて、実は職人の勘や技が必要な技術でもあります
とはいえ、効率的に生産が可能であり
量産も可能なので現在はこのシューティングという技法が
主に採用されています
②「芯張り」
二つ目の技法は<芯張り>
と呼ばれる技法
芯張りはシューティングと製造工程が全く異なります
その製造工程は
プラ生地をテンプルサイズの短冊状にカット
↓
その生地を半分に割って
↓
芯が入るように溝を掘り
↓
芯金を入れ
↓
プレスで圧着させる
といういくつかの工程を経て作られます
シューティングなどの技術がまだなく
今ほど技術が進歩していなかった時代の技法です
簡単にまとめると
芯をプラ生地で挟み込んで、熱と圧力で接着させ棒状にして
そこからテンプルの形状に削りだしていく技法です
シューティングよりも難しい技法ですが
この技法でしか表現できないテンプルがあります
それが写真の
光輝 068 col,♯023
シューティングでは表現できない
デザインを施した芯
を使用できるという点です
シューティングだと差し込むことの出来ない形状の芯や
デザインされている芯も生地で挟みこんで製造できますので
デザインテンプルには今でも使われている技法です
芯張りだと
こういったデザインの芯を使う事も出来ます
芯張りはその性質的に
クリア生地のテンプルで使用されている事が多いです
デザインされた芯を見せるには
クリア生地を使用しないと
せっかくのデザイン芯が見えませんからね・・・
<番外編>
「セルロイド」は「アセテート」に比べて<硬さ>があります
型崩れが起きにくいという点や
アセテートと比べても折れにくい、という特徴があります
セルロイドフレームのテンプルには
芯を入れない、いわゆる
『ノー芯』
というテンプルを作るところもあります
芯がなくてもセルロイドは堅さがあるので
形を保てます
<ノー芯>の場合、クリア系の生地を使った時に
中の芯がありませんので
芯が入っていないカッコよさを演出できます
ノー芯のテンプルはこんな感じです
ねじ止めされた部分から先に、芯は入っていません
先の部分をアップにしてみました
イエローデミはの中に芯は全くありません
芯が入っていないテンプルのビジュアルが好き
という方にはたまらない技法です
ノー芯ならではのクールな印象です
セルロイド生地でも芯が入っている方が
強度が保てていいという点もあります
中に芯が入っていれば、もし生地が折れても、中に「芯」が
通っているので折れてもテンプルとして使用できますが
ノー芯の場合だと、折れてしまうと
芯がありませんので、テンプルの形状を保つことが出来ません
どちらが正しいという事はありませんが
<芯が入っている頑丈さ>
<ノー芯のビジュアルのカッコよさ>
は両立できません
それぞれの特性を理解してご使用いただければと思います
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